私が舞台で大切にしていること

旧友との再会がきっかけで、大阪で約15年ぶりに舞台に立たせて頂くことになった私。 久々にダンサースイッチが入った生活をしています(笑)。

 

本番直前ということもあり、私が舞台で大切にしている3つの事柄から「お辞儀」について書いてみます。

 

「礼に始まり礼に終わる」とは武道の世界で大事にされている言葉ですね。

バレエの世界では演じる役柄によってお辞儀のポーズや角度、そして速度が異なります。

 

私は10代中頃でソロを踊る機会が増え、いろんなダンサーのお辞儀を研究したのを覚えています。○○さん風、○○役風などレッスンの後に友人たちとモノマネをしてよく遊びました(笑)。

 

私はこれまでに3回、感動するお辞儀に出会っています。

 

最初は、18歳で英国留学中に観たバーミンガム・ロイヤルバレエ団の公演「白鳥の湖」でした。主役のマリオン・テイトが喋っているようにお辞儀する姿に感動して涙が流れました。でも、その時はなぜ涙が流れたのか?という理由はわかりませんでした。

 

2回目は帰国後に観たコンテンポラリーダンサー、故・黒沢美香さんの舞台。昨年天寿を全うされたのですが、当時の黒沢さんは乳がん再発後の活動でした。黒沢さんのお辞儀に込められたお客様への感謝と敬意、生きていることや舞台に立てることの喜びと感謝が身体中から伝わり、涙が溢れたのです。

その時に「お辞儀って、その人の生き方があらわれる仕草なんだ」と感じ、「礼に始まり礼に終わる」とは深い言葉だなと改めて思いました。

以降、私はそれまで以上にお辞儀を大切にするようになりました。

 

そして3回目に感動したお辞儀は、昨年お出会いした加賀屋旅館の大女将でした。深々と丁寧に身体を傾けられる姿勢に、やはり「お辞儀=人としての在り方(生き方)」なんだと感動で涙しました。

 

ですからMCBでは、とてもうるさくお辞儀を指導します(笑)。

練習では最初と最後にお辞儀をするのですが、良くない時は何回でもやり直しです。

それは、どんなに踊りの技術が高くても、お辞儀が丁寧に出来ない人はお客様に感謝と感動をお届けできないからです。

実は私、発表会でラストのカーテンコールしか舞台に出ない時でも、お辞儀だけはコッソリ何回も練習しています(笑)。 本番の時は全てのお客様を抱きしめるような気持ちで「ありがとうございます」と、胸中で話しながらお辞儀をしています。

今回は共演者と一緒なので、いつもより少し早いテンポにはなりますが、お辞儀を通して、舞台で生きる私を観て頂いた感謝を精一杯お伝えしたいと思います。